【セミナーレポート】「売る」から「選ばれる」へ。浜松製造業のためのWebマーケティング戦略

先日、2025年10月16日に浜松アクトシティ コングレスセンターにて、地元の製造業の皆様を対象とした特別なセミナー「B2B製造業向けWebマーケティングセミナー:最初の1歩」を開催いたしました。ご多忙の中、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。
「ウチの技術力は高いのに、なぜか仕事が来ない」
「どうやって新規顧客を開拓すればいいかわからない」。
そんなお悩みを抱える経営者の方も多いのではないでしょうか。今回のセミナーは、そんな皆様のお悩みに光を当てるべく、今すぐ実践できる具体的なWeb戦略をお伝えするものでした。
この記事では、当日参加できなかった方々にもその熱量と重要なポイントをお届けするため、セミナーの内容をダイジェストでご紹介します。
なぜ今、製造業にWebマーケティングが必要なのか?
「いいモノを作れば売れる」という時代は、残念ながら終わりを告げました。
特にB2B(企業間取引)が中心の製造業では、「待ち」の姿勢では、せっかくの優れた技術も必要としている人に届きません。
セミナーの冒頭では、現代の企業が直面する「3つの危機」についてお話ししました。
買い手の行動変化
かつては営業担当者が直接訪問し、関係性を築くのが主流でした。しかし今、顧客(発注担当者)は、営業担当に会う前に購買プロセスの約6割をインターネット検索で終えています。彼らが検索した時に、あなたの会社が見つからなければ、あなたは最初から存在しないのと同じになってしまいます。
産業構造の変化(サプライチェーンのリスク)
特に浜松地域にも関連の深い自動車産業をはじめ、多くの業界でEV化などの大きな変革が起きています。特定の大手企業からの受注(下請け)だけに依存するビジネスモデルは、非常に危険な状態にあると言えます。
人材採用の困難化
人手不足は深刻な問題です。求職者もまた、Google検索やマップで企業を調べます。情報が古かったり、魅力が伝わらなかったりすれば、優秀な人材を採用するチャンスを逃してしまいます。
これらの課題を解決する鍵が、Webマーケティングによる「見つけてもらう仕組み」づくりです。
鍵は「スペック」から「ソリューション」への転換

多くの製造業のWebサイトは、自社の「技術スペック」(例:ミクロン単位の精密加工が可能)を羅列することに終始しがちです。しかし、顧客が本当に知りたいのは、「その技術が自分の問題をどう解決してくれるのか?」というソリューション(価値)です。
セミナーでは、この「スペック語」を「ソリューション語」に翻訳するワークショップを行いました。
ダメな例(スペック語)
「当社は最新の5軸加工機を導入しています。」
良い例(ソリューション語)
「当社の5軸加工技術により、複雑な形状の部品もワンストップで製造可能。お客様の設計自由度を高め、開発期間を30%短縮します。」
このようにお客様の視点に立ち、「お客様にとって、どんないいことがあるか」を明確に伝えることが、問い合わせにつながる第一歩です。
最強の無料ツール「Googleビジネスプロフィール」を制覇する
ホームページをリニューアルするには時間もコストもかかります。しかし、今すぐ無料で始められる、最も強力なツールがあります。それが「Googleビジネスプロフィール」(旧:Googleマイビジネス)です。
誤解を恐れずに言えば、顧客が「浜松市 精密板金」と検索した時、真っ先に表示されるのは検索結果のリストではなく、「地図」と「3つの企業情報」です。ここに表示されるかどうかが、ビジネスの明暗を分けるといっても過言ではありません。
セミナーでは、このGoogleビジネスプロフィールを「ただ登録するだけ」から「最強の営業ツール」に変えるための具体的な方法を解説しました。
「何屋か」を明確に
会社名だけでなく、「何を提供している会社なのか」を明確に記載する。
写真の充実
加工サンプル、工場内部の様子、スタッフの働く姿など、安心感と技術力を伝える写真を掲載する。
「投稿」機能の活用
ブログのように、最新の導入事例、展示会への出展情報、新しい設備の導入などを定期的に発信する。
「クチコミ」の獲得
最も重要です。既存のお客様に依頼し、「なぜウチを選んでくれたのか」「どんな課題が解決したのか」を具体的に書いてもらいましょう。これは未来のお客様に対する最高の推薦状となります。
AI時代を生き抜くために
最後に、AI(人工知能)が検索エンジンの未来をどう変えるかについて触れました。今後は、GoogleがAIを活用して「〇〇に最適な会社は?」という質問に対し、直接的な答え(企業のリスト)を提示するようになります。
AI時代におけるGoogleビジネスプロフィールの活用についてはこちら
AIがあなたの会社を「最適だ」と判断する材料は、Web上にどれだけ「信頼できる情報」が蓄積されているか、です。その最も重要な情報源の一つが、このGoogleビジネスプロフィールと、そこに集まるお客様の声(クチコミ)なのです。
「うちはB2Bだから関係ない」と思わず、今すぐ自社の情報を整備し、発信を始めること。それが未来の受注につながる確実な一歩です。
静岡マーケティングでは、地域の中小企業の皆様がデジタル時代を勝ち抜くためのサポートを続けています。次回の実践ワークショップ(11月開催予定)では、さらに踏み込んで「自社の強みを言語化する方法」や「AIを活用した情報発信」について解説します。
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