Google Workspace の始め方|ドメイン取得から契約まで

最初に結論

  • 契約するのは Google Workspace の Business Standard1ユーザーあたり月額1,600円(Googleの表示価格)。
  • 14日間、無料で試せます。
  • 用意するものは3つだけ。自社のドメイン名(〇〇.co.jp など)、支払いの方法管理者になる人
  • 会社のクレジットカードが無くても契約できます。代理店(販売パートナー)経由なら請求書払いに対応しています。
  • すでに会社のホームページとメールをお使いなら、今のメールは1通も止まりません。止めない進め方をこのページで説明します。

いちばん多い失敗は、申し込みの途中で「Gmailを有効にする」に進んでしまい、会社のメールが届かなくなることです。やらなくていい作業なので、後半で「やらないこと」として明記します。

※ Googleの画面の文言は変わることがあります。このページと表示が違う場合は、意味の近いものをお選びください。

この記事の全体像

記事の全体像。Excelと今のメールから、ドメインの所有権確認を経て、スプレッドシート・ドライブ・AIが使える状態へ。Gmailを有効にする操作へは進まないため、メールは止まらない
Google Workspace の始め方|ドメイン取得から契約まで 1

1. 用意するもの(3つ)

① 自社のドメイン名

〇〇.co.jp 〇〇.com のような、メールアドレスの @ より後ろの部分です。会社のホームページやメールアドレスをすでにお持ちなら、そのドメインをそのまま使えます。新しく買う必要はありません。

まだ無い場合は、申し込みの中で買えます(→ 第4章)。

② 支払いの方法

Googleの公式サイトから直接申し込む場合は、クレジットカード払いになります。請求書払いは原則できません。

会社名義のカードが無い、または経理のルール上、カード払いが通らない場合は、代理店(販売パートナー)経由で契約する方法があります。請求書払いや銀行振込に対応しており、料金は公式と同じか、割引がつくこともあります。

くわしくは第6章で比べています。代表者個人のカードで立て替えるのは、あとで振り替えの手間が出るので勧めません。

③ 管理者になる人

社員を追加したり、支払いを管理する権限を持つ人です。あとから変更できますが、退職の可能性が低い人にしておくのが無難です。

人数の考え方:Google Workspace は1人ずつの契約です。まずは使う人の分だけで始めてください。あとから増やせます。Business の各プランは最大300ユーザーまでです。

2. どちらに当てはまりますか

自社のドメインを持っているかどうかで、進む道がAとBに分かれることを示した図
Google Workspace の始め方|ドメイン取得から契約まで 2

ここから道が2つに分かれます。

あなたの会社の状況 進む先
A 会社のホームページがある。名前@自社ドメイン のメールアドレスを使っている 第3章へ
B ホームページが無い、または @gmail.com @ocn.ne.jp など、会社のドメインではないメールを使っている 第4章へ

製造業のほとんどは A です。

3.【A】すでにドメインをお持ちの場合

3-1. 申し込む

Google Workspace の申し込みページから手続きします。途中で「ドメインをすでに持っていますか?」と聞かれるので、持っているを選び、自社のドメイン名を入力します。

※「ドメインを購入する/すでに持っている」の選択が出たら、後者です。

会社名、従業員数、国(日本)、お名前、いま使っているメールアドレスなどを入力します。続いて、管理者アカウントを作ります。名前@自社ドメイン の形で、ユーザー名とパスワードを決めます。

このアカウントは、今お使いのメールとは別物です。同じ文字列にしても、届く先は今までどおり変わりません(次の項目で説明します)。

3-2.【山場】ドメインの所有権を確認する

Googleから「このドメインが本当にあなたのものか確認させてください」と求められます。やることは、ドメインの設定に、Googleが指定した文字列を1行追加するだけです。これを「TXTレコードの追加」と呼びます。

ここが、ほとんどの会社で自力では進まない箇所です。ドメインの設定は、ホームページを作った制作会社や、契約しているサーバー会社が管理していることが多く、社内からは触れません。

→ 制作会社・サーバー会社に頼んでください。 そのまま送れる依頼文を用意しました。

どこが管理しているか分からないときは

「そもそもウチのドメインは、どこが管理しているのか」が分からない会社は珍しくありません。担当者が辞めていたり、10年前に頼んだきりだったりします。次の順で当たってください。

  1. ホームページを作った会社に聞く(いちばん確実)
  2. 毎年の更新料の請求書・引き落としを探す。ドメイン代を払っている先が管理会社です
  3. それでも分からなければ、whois の検索サービスで自社ドメインを調べる。「登録者」「レジストラ」の欄に、管理している会社の名前が出ます

触る前に、今の設定を控えておく

作業を頼む前に、今のドメインの設定(DNSレコード)の一覧を、画面の写真かCSVで残してもらってください。万一おかしくなっても元に戻せます。制作会社に頼むときに「現在の設定の控えもいただけますか」と一言添えるだけです。

制作会社・サーバー会社へ送る依頼文(コピーしてお使いください)

お世話になっております。〇〇株式会社の△△です。

Google Workspace を導入するにあたり、ドメインの所有権確認が必要になりました。
つきましては、当社ドメイン(〇〇.co.jp)のDNSに、下記のTXTレコードを1件
追加していただけますでしょうか。

  ホスト名(名前): @ (またはドメイン名そのもの)
  種別: TXT
  値: google-site-verification=<Googleの管理画面に表示された文字列を貼り付け>

なお、今回追加をお願いするのは所有権確認用のTXTレコードのみです。
MXレコード(メールの宛先)の変更は行いません。現在のメール・ホームページは
これまでどおりの運用を継続します。

あわせて、現在のDNS設定の控え(画面の写しやCSV)もいただけますと助かります。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

なぜこの但し書きを入れるのか:「Google Workspace を入れる」とだけ伝えると、制作会社が気を利かせてメールの宛先(MXレコード)まで一緒に切り替えてしまうことがあります。そうなると、今までのメールが届かなくなります。「TXTだけ」「MXは変更しない」と明記してください。

Google公式にも、こう書かれています。

この確認手続きを行うことで、ご利用のメールやウェブサイトに影響が生じることはありません。

つまり、この作業で今のメールが止まることはありません。安心して進めてください。

待ち時間にご注意ください。追加した設定をGoogleが認識するまで、最長で72時間ほどかかることがあります(Google公式の記載)。追加した直後に確認できなくても、失敗ではありません。申し込みは、日数に余裕をもって始めてください。

3日待っても確認できないとき:設定を間違えたと決めつける前に、ドメインがロックされていないかを管理会社に確認してください。ドメインの登録者情報(連絡先メールアドレス)の確認手続きが済んでいないと、ドメイン側にロックがかかり、設定を正しく入れても反映されません.com などでときどき起きます。

3-3.【重要】やらないこと:「Gmailを有効にする」

所有権の確認が終わると、Googleの画面に「Gmailを有効にする」「メールを設定する」といった案内が出ます。

押さないでください。

※「メールの設定」「MXレコードの変更」に類する案内は、すべて対象です。

これは、会社に届くメールの宛先を、今のサーバーからGoogleに切り替える作業です。実行すると、その瞬間から今までのメールソフトに新着が届かなくなります。過去のメールの移行や、社員全員の設定変更もセットで必要になります。

そして、この作業をしなくても、必要な機能はすべて使えます。スプレッドシート、ドキュメント、ドライブ、Gemini、Gemini Notebook — いずれもメールの切り替えとは無関係です。

メールをGoogleに移すかどうかは、落ち着いてから、別途ご判断ください。急ぐ話ではありません。

3-4. 支払いとプランを決める

無料試用の期間が終わる前に、支払い情報を登録します。

4.【B】ドメインをお持ちでない場合

申し込みの途中で「ドメインを持っていますか?」と聞かれたら、「持っていない」を選びます。その場で候補を探して購入できます。ドメイン代は Google Workspace の利用料とは別にかかります。

ドメイン名の決め方(あとから変えるのは大変なので、ここは少し時間をかけてください):

  • 会社名のローマ字表記が基本です。長い会社名なら、実際に名乗っている略称で構いません。
  • 末尾は、日本で登記のある会社なら .co.jp が最も信用されます。登録できるのは日本国内で登記を行っている会社に限られ、原則として1つの組織につき1つしか持てないため、取れていること自体が実在の証明になります。ただし他より割高です。
  • 迷う場合は .com で問題ありません。
  • ハイフンや数字を混ぜると、電話で伝えるときに必ず苦労します。避けてください。

ドメインを取得すると、info@自社ドメイン のような会社のメールアドレスも持てるようになります。この場合は今のメールを止める心配がないので、そのまま Gmail を使い始めて構いません。

5. プランの選び方

Google Workspace には複数のプランがあります。Business Standard をお選びください。

Business Starter Business Standard
月額(1ユーザー) 800円 1,600円
1人あたりの保存容量 30GB 2TB(約67倍)
Gemini(AIアシスタント) Gmail のみ Gmail・ドキュメント・Meet など
スプレッドシートの中のAI機能 使えません 使えます
Gemini Notebook(旧 NotebookLM) 使えます(標準の範囲) 使えます(より広い範囲
ビデオ会議の参加人数 100人 150人

※価格は Google の表示価格です。実際の請求額は申し込み画面でご確認ください。

Standard を勧める理由は3つです。

  1. スプレッドシートの中でAIが使える。Starter では使えません。表の中で直接AIに計算や整理を頼めるかどうかは、日々の使い勝手がはっきり変わるところです。
  2. 保存容量が30GBでは足りなくなる。見積書や図面のやりとりを続けると、1人30GBはすぐに埋まります。あとから容量だけ増やすことはできず、プランごと変えることになります。
  3. AIの使える範囲が広い。Gemini Notebook も、Starter は「標準の範囲」に制限されます。

800円と1,600円の差は、1人あたり月800円です。ここを削ると、あとで「これは上のプランじゃないとできません」に何度もぶつかります。最初から Standard で始めるのが、結局いちばん安く済みます。

年間プランと月々払い

  • 年間プラン(1年契約)… 月々払いより約16%安くなります。
  • 月々払い(フレキシブルプラン)… いつでもやめられますが、そのぶん割高です。

続けるつもりなら年間プラン、まず試すだけなら月々払い、という選び方で問題ありません。

6. 公式から直接か、代理店経由か

会社のクレジットカードで払えるかどうかで、公式サイトから直接契約するか、請求書払いができる代理店経由にするかが決まる図
Google Workspace の始め方|ドメイン取得から契約まで 3

Google Workspace は、Googleの公式サイトから直接契約するほかに、代理店(販売パートナー)を通して契約することもできます。料金は同じか、代理店によっては割引がつきます。

公式サイトから直接 代理店(販売パートナー)経由
支払い方法 クレジットカード中心(請求書払いは原則不可) 請求書払い・銀行振込に対応
契約人数 1人から 最低人数が決められている場合がある
契約期間 年間/月々を選べる 1年単位が基本。途中の人数変更がしにくい
サポート 基本は自社で対応 日本語での相談・初期設定の代行が受けられる
変更手続き 自分ですぐできる 代理店を通すため即時ではない

選び方の目安

  • カード払いが通るなら、公式から直接で構いません。手続きが速く、人数の増減も自分でできます。
  • 経理のルールで請求書払いが必要なら、代理店経由を検討してください。中小企業ではこちらが理由になることが多いです。
  • DNSの設定を自分たちでやりきる自信がないなら、代理店経由も一案です。初期設定を代行してもらえます。

代理店は複数あり、最低契約人数・請求書の発行手数料・支払いの締め日が会社ごとに違います。2〜3社に条件を聞いてから決めてください。

7. 社員を追加する

管理コンソール(admin.google.com)の「ユーザー」から、使う人を1人ずつ追加します。追加した人数分だけ料金がかかります。

8. できたかどうかの確認

以下が全部できていれば完了です。

  • 名前@自社ドメイン でGoogleにログインできる
  • スプレッドシートを新規作成して、保存できる
  • ドライブにファイルを保存できる
  • Gemini(gemini.google.com)に、そのアカウントでログインできる
  • 今までの会社メールが、これまでどおり届いている

最後の1つが、いちばん大事な確認です。

9. よくある質問

Q. 今のメールアドレスは使えなくなりますか。
いいえ。この手順ではメールの宛先を変更しません。今までどおり届きます。

Q. 無料のGoogleアカウント(@gmail.com)ではだめですか。
個人のGoogleアカウントでも、スプレッドシートやドキュメントは使えます。ただし、会社のデータを個人のアカウントに置くことになり、その人が辞めると会社が中身を取り出せません。仕事で使うなら、会社のドメインで契約してください。

Q. パソコンに何かインストールが必要ですか。
不要です。インターネットを見るソフト(Chrome など)だけで使えます。

Q. 何人分から契約できますか。
公式サイトから直接契約する場合は1人からです。最大300人まで。あとから増減できます。代理店経由の場合は、最低契約人数が決められていることがあります。

Q. 会社にクレジットカードがありません。
代理店(販売パートナー)経由なら、請求書払いや銀行振込で契約できます(→ 第6章)。

Q. Starter(800円)ではだめですか。
使えないわけではありません。ただし、スプレッドシートの中でAIが使えないこと、保存容量が1人30GBしかないことは割り切ってください。差額は1人あたり月800円です。

出典

本ページの数値・仕様は、2026年8月29日に以下の一次情報で確認しています。

  • 料金・プラン比較・14日間の無料試用・最大300ユーザー・年間プランの割引 … Google Workspace 料金ページ
  • スプレッドシートのAI機能はBusiness Standard以上/Gemini Notebook のプラン別の範囲/保存容量/ビデオ会議の参加人数 … Google Workspace エディション比較
  • 「この確認手続きを行うことで、ご利用のメールやウェブサイトに影響が生じることはありません。」 … Google Workspace 管理者ヘルプ「ドメインの所有権を証明する」
  • TXTレコードの書式・ホスト名・認識まで最長72時間 … 同ヘルプ「ドメインの所有権を TXT レコードで証明する」
  • .co.jp の登録資格と1組織1ドメイン名の原則 … JPRS「JPドメイン名の種類」

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公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構「バックオフィスDX導入講座」にお申し込みの方は、第1回の開催日までに、第8章のチェックリストが済んだ状態でお越しください。

遅くとも開催日の1週間前には着手してください。ドメインの所有権確認は、Googleが認識するまで最長72時間かかることがあります。前日に始めると間に合いません。

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